KTM Duke 690マフラーブラケット修理

金曜日に修理依頼が入りました。

KTM Duke 690のマフラー中間部分とゴムブッシュを介してシャーシに吊るすステンレス製ブラケットのピンが2本とも溶接部分で剥がれてしまったので溶接できませんかとの問い合わせ。

破損した部品はこちら。

両サイドの穴にピンが刺してあり接触面でTIG溶接されているものですが、2本とも溶接がしっかりとされておらず剥がれていました。

ピンはブッシュから抜け落ちる寸前でエンジンブロックにあたって紛失せずに残っていました。 ブラケットごと新品交換してもそれほど高額にはならないと思われますが対策品でない場合には時間の問題で同様のtらブルが発生すると思われます。

今回は修理に加えてある程度のレベルではありますがポリッシュを施しました。

作業開始

先ずはピン2本の位置合わせです。

この状態では溶け込みが浅く溶接が不十分な状態ですね。

ピン側を見ると一目瞭然殆ど溶け込んでませんでした。

常に振動が加わるマフラーブラケットとしては無理があります。

位置を合わせて溶接準備をします。

先ずは1発目の溶接です。

ステンレス用のロッドを使いますが、湿気ているようで見た目が微妙ですが溶け込んではいますのでOK。

擦ってフラットにします。

この後サイド溶接をして十分な溶け込みを確認します。

無事ピン2本とも溶接完了です。

もう少し溶かし込みたいところでしたがこれ以上熱を加えると変形が大きくなるのでこの辺りで良しとしました。

フラットになったところで更に耐水ペーパーで均してからポリッシュします。

ここからエアポリッシャーとメタルポリッシュで磨きます。

ピンが突出している面はポリッシュせずにそのままです。

ピンの根元に肉盛り溶接することも考えましたがステンレス用の棒が使える溶接機が100Vのみで少々パワーが足らなかったので今回は裏面のみの溶接にしました。

納品取付

折角なので納品がてらどのように車体に取り付けられるのか見せて頂くことにしました。

シャーシにゴムブッシュがあり、この中心になるスリーブに2本のピンが差し込まれます。

特に固定はされないので差し込まれてマフラーの収縮に合わせてスライドする機構のようですね。

仮取付けして異常がないか確認しました。

無事スムーズに本来の位置に納まりました。

これでもうピンが抜けることは無いでしょう。


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